LITTLE BUSTERS プロローグ

25を越えたあたりで抱き始める不安感をクォーターライフクライシスと言うらしい。かく言う私も30を手前にして仕事や会社への不満、友人が結婚したり子供を授かったりと、周りを取り巻く環境に心揺さぶられてクライシスの真っ只中に居た。

名前が着くほどポピュラーな現象なんだから現代人にとって一種の通過儀礼なわけで、社会人の大半が罹るはしかみたいなものだろうし、必要以上にくよくよすることはないとわかっているのだけれど、やっぱり渦中に居ると周りは見えないし落ち着かない。

先の見えない螺旋階段を歩くような毎日と、馴染まないで居るのか馴染めないで居るのか分からないこの人間社会でもがいていて、日々蓄積していく漠然とした不満を整理する為の旅をしようと決心した。

思えばピロウズ に出会ってからの17年間は常にピロウズ がそばに居続ける人生だった。だからピロウズ を改めて真正面から鑑賞する事は人生を見つめ直す事と同じな訳で、それが旅の動機と結びついた時に素敵なアイデアが浮かんだ。

ピロウズ のフルアルバムを全て流し終わるまで日本を横断し続けよう

人生を共に過ごした曲達が誘う場所はどんな景色なのか、想像しただけでゾクゾクした。何か明確な答えが出る保証なんて無いけど、今よりもっと感情の置き場が定まる気はする。

好きな紀行小説は深夜特急。好きなウェブライターはpatoさん。好きな旅番組?は水曜どうでしょうとTop Gear。好きなバンドはthe pillows。それでは出発します。

連れてってくれよ、この世の果てまで